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願った時から助かりへ【金光新聞】

生半可な信心じゃあ、助からん

 昌子さん(28)は、夫の彰さんと生後5カ月の赤ちゃんと共に、岡山県の金光教本部で4月に仕えられる天地金乃神大祭に参拝するため、乗り継ぎ駅で電車を待っていました。わが子が、生後間もなく手術を受け、無事に回復したお礼参拝を一家そろってするところでした。
 駅のホームに立っていると、ある男性に「お久しぶりですね」と、声を掛けられました。なんとその声の主は、子どもの手術でお世話になった医師でした。話を聞くと、その医師もご本部参拝の途中だということで、その時初めて金光教の信奉者だと知りました。昌子さんには、この再会が偶然のこととは思えず、神様が引き合わせてくださったのだと感じました。
 昌子さん夫婦は、長年子どもを授かりたいと神様にお願いしてきましたが、なかなか授かれずにいました。ある時、昌子さんに不正出血があったのを機に専門の病院を受診し、その日から不妊治療を始めました。身体的にも精神的にもつらいことが多く、途中で何度もやめようと思いながらも、何とか通院を続けました。
 そのかいあって、懐妊のおかげを頂きましたが、間もなく流産してしまいました。それでも昌子さんは、神様にお願いしながら治療を続け、1年後に再び懐妊し、流産した子の予定日と同じ日に、無事に男の子を出産することができました。

 しかし、生後5日目の検診で、後頭部に血管が集まったこぶがあることが分かり、手術を受けることになったのです。そのことを聞いた、昌子さんの母親の直子さんは、長年熱心にお参りしている教会に、未信奉者だった彰さんを連れて参拝しました。
 直子さんは、お結界で教会の先生に「どうぞ、この子が神様のお役に立つ子であるなら生かしてください。そうでないなら命をお引き取りください」と、必死の覚悟でお願いしました。すると先生は、その場でご神前に向かってご祈念した後、振り返って「大丈夫。助かる!ただ、この手術はとても難しい。生半可な信心じゃあ、助からん。これまでの信心の集大成やぞ」と力強く言いました。
 彰さんは、二人のやりとりの迫力にのまれ、何も言えずにいましたが、不思議と気持ちが楽になっていたそうです。

自然と出血している患部を

 必死の祈りに守られながら、生後20日目に手術を受け、大きな問題もなく、1カ月足らずで退院できました。その執刀医だった医師と、駅で思わぬ再会を果たしたのです。
 医師が、その時の手術で起きたことを話してくれました。血管のこぶの切除が終わろうとしていた時、大量の出血があり、勢いよく飛び出した血は医師の眼鏡まで飛んだそうです。しかし、指
が自然と出血している患部を抑え込み、無事に止血できたそうです。「皆の祈り合いの中で、神様が私の指を動かしてくださったとしか思えません」と語る医師の言葉に、昌子さん夫婦は改めて、神様のお働きの大きさを感じていました。

 子どもを授かりたいと願いを立てた昌子さんは、不正出血をきっかけに、さまざまな事柄に直面しながらも、わが子を授かることができました。神様は、願った瞬間から、助かりの道に導いてくださり、あの手この手を使って、想像もつかないところで助けてくださるのだと実感しています。神様はおかげを授けようと、人が願うことを待ってくださっているのだと思えてならない昌子さんです。
※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています

「心に届く信心真話」2020年10月18日号掲載

メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2021/12/26 09:03:17.867 GMT+9



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