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信心に基づく食の倫理観を【金光新聞】

食を通じて考える21世紀の世界

 近年、温暖化や集中豪雨など、身近に地球環境の異変を感じることが多くなった。われわれ信奉者は環境問題と、どのように向き合えば良いのか。これはとても難しい問題であるが、その入り口の一つとして、私たちが日々頂いている食物から考えてみたい。

 私たちの住む日本は食糧自給率が40パーセントと低く、食糧の多くを海外からの輸入に依存している。もし、これらの食糧がなければ、私たちは、生きていく命をつなぐことさえ、ままならない。

 私たちの日ごろの生活がどのくらい地球に負荷をかけているかを、エコロジカル・フットプリントという指数で見てみよう。これは、経済活動が生み出す環境負荷を浄化できる面積との関係で割り出す。もし、世界総人口約67億人が、日本人と同等の生活を送ると、地球が2.4個必要となるという。

 言い換えると、世界中の人々が私たちと同じ暮らしぶりになると、地球はその資源需要にこたえられず、パンクしてしまうのだ。実際に食糧だけを取ってみても、世界中の人々が私たち日本人と同じようにカツ丼や天丼を消費したとすれば、世界の需要は供給を上回る事態になる。

 また、食糧を輸入することは、輸入先で食糧の生産に使用される他国の水資源をも同時に輸入、消費していることをも意味する。

 その試算によると、輸入する食糧のために必要な水量は、日本国内の水資源使用量を上回る。日本では、ほぼ水に困ることはないが、世界的に水不足が深刻となっている現在、後進国はその貴重な水資源で生産した食糧を、外貨獲得のために私たち先進国に輸出せざるを得ないのが実情である。

身近な食物から世界を考え 倫理観を考える

 われわれは、自覚の有る無しにかかわらず、今や世界的規模の消費システムに組み込まれている。私たちが、外国産のお肉を頂くことは、遠く離れた貧しい国の人々の主食を奪うことにもつながる。なぜなら中南米では主食であるトウモロコシが、輸出する食肉用の家畜の飼料となるからだ。

 つまり、日々、「世界真の平和のご神願成就」を願っている私たちではあるが、知らず知らずのうちに、その反対の行為を行っているともいえるのである。このような今日的な「めぐり」を積んでいることを、私たち自身が自覚し、その上で私たちに何ができるのかを問い直さなければならない。

 具体的な方法としては、地域の生活協同組合など地産地消に積極的な団体を通して食品を購入することも一案である。また、金光教平和活動センター(KPAC)が行っている「一食をささげるチャリティー」への参加や、最近取り組まれているフェアトレードといわれる、主に非営利団体が取り扱う商品を購入することもいいだろう。

 さらに各家庭で、子どもたちとともに食べ物のありがたさや、お米や家畜の育てられ方などを学ぶ食育を意識し、食物を頂くことの意味をあらためて考え直すことが大切ではないだろうか。そして何より、教会でのお直会や家庭での祝いの時の、手の込んだ特別な料理は、真心を込めて頂きたい。粗末に扱うことは神様が喜ばれるはずがない。

 身近な食物から世界を考え、命の源である食物を消費する上での倫理観を考えることは、今日の金光教の一つの重要な課題であろう。


斎藤 文彦(龍谷大学国際文化学部教授)

投稿日時:2009/02/26 14:48:40.359 GMT+9



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