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人生の棚卸しで自己確認を【金光新聞】

自己の振り返り 仕事の振り返り 信心の振り返り

 終身雇用制、年功序列制が崩壊し、労働形態が大きく様変わりした現代。転職を考えなければならない人が増加していく中、就職や仕事についての悩みをサポートするキャリアカウンセリングの重要性が高まっている。その現場では、人生を振り返る営みが大切だという。

 自分の人生を振り返ってみると、目には見えないけれども、自分の歩んできた道筋というものがある。キャリアカウンセリングで相談の対象となるキャリア(経歴)とは、職務上の職歴のみを指すものではなく、仕事以外の私生活での趣味や人脈など、生きる上で蓄積してきたさまざまな経験が含まれる。

 キャリアカウンセリングは、それらすべてのキャリアを掘り起こし、棚卸しをした後、今後の方向性への選択肢の幅を広げたり、絞り込むための支援をするものである。

 例えば、一つの職場で定年を迎えた人は、「一つの職場しか経験していない自分には何ができるのか、今後、どんな仕事をしたいのか分からない」という悩みを持っている場合も多い。このような場合、まずその人が数十年にわたって同じ会社で勤務できたこと自体が素晴らしいことだったと気付くきっかけを探る。仕事を続けるためには、健康管理、時間管理、家族の協力などがあったはずである。 さらには、仕事を進める中で、成功したこと、達成感を味わったことや、困難に直面した時に、どのようにして乗り越えてきたのか、といったことを振り返っていくことは、その人がどれほどそうした経験を通して成長してきたかを知る手だてになる。

 こうした自己の棚卸し作業を通して、人生経験、社会経験を積み重ねて成長してきた自分の姿を認識してもらい、人生で出合ってきたさまざまな出来事には無駄がなく、すべての経験が大切な宝物であることに気付いてもらうことが重要となる。

 「自分なりに頑張ってきた」と、これまでの人生を肯定的に捉えることで、新たな人生を切り開くきっかけにつなげていくのである。

教祖様のキャリア

 このような考え方に立ちながら、教祖様の「御覚書」執筆を考えてみると、まさにキャリアカウンセリングが重視している「振り返り」の作業だったのではないかと気付かせられる。

 教祖様は、明治7年、神様のご指示により、ご自身の出生と生い立ちに始まり、42歳時の大患以降の信心の歩みを「御覚書」に書きつづられた。この取り組みをキャリアカウンセリング的に見ると、執筆を通して、自己の振り返り、仕事の振り返り、信心の振り返りをなさり、〝教祖様のキャリア〟を明らかにされたわけである。何よりも驚かされるのは、神様がそのような振り返りの重要性を教祖様にお伝えになったことである。

 教祖様のご信心の歩みをつづった「御覚書」の内容は、立教150年を迎えた今でも色あせることなく、信心の道しるべとなっている。

 私たち信奉者も、自分自身のキャリアと、神様と共に生きてきた道のりの「振り返り」が必要なのかもしれない。当たり前のように歩いてきた道のり、苦しくつらいと思ってきた道のりの一つ一つを思い起こして書き記してみると、そこから新たな信心の取り組みが見えてくるに違いない。

中谷 智美(キャリアカウンセラー)

投稿日時:2009/04/24 09:28:17.049 GMT+9



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