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神様のあふれる愛を他者に【金光新聞】

人のお役に立つ生き方

 東日本大震災発生直後から1年間、私は被災地で支援活動をする中で、世界中の人間は神様の子であり、「人を助けたい」という神様の心が内在していることを実感した。一人一人がその心を現し、人のお役に立つことを、神様は願い続けておられる。

 震災直後、東北で活動していたあるNGOのスタッフが、「泥かきボランティアをするのは大切なこと。しかし、それに満足し、経験を過去のものとしては駄目なんだ。それは入り口にすぎない。経験したことを自分だけのものとしないで、帰ってから他の人たちと分かち合うことが大切なんだよ」と、熱く語ってくれたことがあった。
 信心しておかげを受けたら、そのありがたさを他の人に伝え現していくことを神様は喜ばれる、という教えに通じると思い感動したことがある。
 東北で活動している間、私は現地レポートを発信し、いろいろな地域を回り、東北での体験や思いを伝える機会を頂いた。そのレポートを読んだり、私の話を聞いた人の中からは、現地に足を運ぶ人も現れた。また、被災地に思いを寄せ、祈りをささげ、募金をしてくれる人もいた。多くの人たちの心の中に変化が起こり、神様の心が目覚め躍動したのだと思う。そんな輪が広がっていった。
 私たちが生活する地域と被災した地域とは無縁なのだろうか。いや、決してそうではないだろう。全国どこでも、さまざまな社会的な問題を抱えている。それが被災した地域では顕著に現れたのではないだろうか。高齢化の問題、心のケアの問題、エネルギー資源の問題などは、どの地域でも深刻だ。こうした問題に自分が生活する地域で関わっていくことが大切だということも、ボランティア活動を通して教えて頂いた。

 大学生たちを気仙沼郊外の仮設住宅に案内した時のことである。仮設住宅の自治会長が、「ここで学んだことを、帰ってからあなたたちの地域で生かしてほしい。人間は、経験した者勝ちだよ。東北にボランティアしに来たのは大きな経験なんだ。泣いて笑って、何でも経験しなきゃ駄目だよ。その経験があなたたちの人生を豊かにし、あなた自身を助けることになるんだよ」と、熱く語ってくれた。
 私は、苦境の中で助け合って生きている人たちを目の当たりにした。生かされていることを心から実感する人たちの言葉は、私たちにたくさんの学びをもたらしてくれる。物の豊かさの反面、心の貧しさが問われている現代にも、お互いが関わり合い、助け合って生きることによってこそ、「幸せ」を感じられる世界があることを学んだ。
 東北で出会った人たちの言葉に心を揺さぶられたことが、地域とどう関わり、共に生きるか、そして、どのようにお役に立つことができるかを考えるきっかけになった。そうして、私は地元に戻ってから週に1度、老人介護施設のデイサービスでお手伝いをしたり、町内会の活動に参加するようになった。

 神様は、私たち人間を「わが子」 として慈しみ、 愛してくださっている。そして私たちに、その慈悲の心を分け与えてくださっている。私も神様のようにその心を惜しみなく現し、あふれ出る愛を他者に注ぐことができるようになりたい。
 忘れないようにしたいのは、「神様のおかげを頂いているから、人を助けるお役に立てている」ということだ。このことを喜び、お礼を申しながら、神様にさせて頂くという心を忘れずに、神心を現していけるよう、信心の稽古を進めていきたいと願っている。

田中真人(東京都大崎教会)
(「フラッシュナウ」金光新聞 2015年11月15日号掲載)

投稿日時:2015/11/17 09:28:32.214 GMT+9



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